12.
2005. 1. 26.

 

前回、次回はライード速報をお伝えすると言っておきながら、モロッコ初の風邪でまさかのDAWN。何やら羊の話を楽しみにしていた奇特な人もいるようなので、日記を見ながら去年の話でも…。

 

今日(04年2月1日)はライード。同僚のサイードに朝9時半に家に来いと言われたので、10分前行動で9時20分にサイード宅に到着。(この頃はまだ日本人らしさを失ってなかったな…苦笑)奥さんのサイーダと三女のスーヘイナに迎えられる。

 

サイードの奥さんがサイーダ、そして三姉妹のスーメイヤ、スーケイナ、スーヘイナ。なんともややこしい外国人泣かせの家族だ。アラビア語の女性の名前は最後が「A」の音で終わるの人が多い。サイード+Aでサイーダって感じだ。ヨシオさんとヨシコさんみたいなもんだろう。

 

そんな話しはどうでも良くて、サイーダ曰くサイードは裏の家で作業しているらしい。一旦門をくぐり、裏の家への階段を上る…と、あれ?なんか上から血みたいなものが流れてきてる…。まさか…

 

「あぁ〜〜〜〜っっ( ̄□ ̄;!?」
階段を上りきり、裏の家の庭に出るとなんと既に羊の頭は胴体から離れ無造作に転がっていた。サイード、9時半って言ってたのに…。しかしよく話しを聞いてみると、今首を落としたのは裏の老夫婦の羊だそうだ。身寄りの無い老夫婦の為に羊の解体、優しんでしょサイード、顔は恐いけど。一通り解体作業が終わりいよいよ真打、サイード家の羊登場。「うわぁっ、でかっ!!」さっきの2倍はありそうな、凶悪なオーラをまとった羊が小屋から出てきた。ダースベーダーのテーマが良く似合う。羊だと思って侮っているとやられてしまいそうだ。羊に引きずられるようにして階段を駆け下りるサイードの後を追い、会場はサイード宅へと移される。

 

砂糖たっぷりのアッツァイ(ミントティー)で一息ついた後、いよいよ作業開始。サイードが大きく息を吐き出し、手首を回しながら羊に近づいていく。心なしか緊張しているようだ。紐で羊を手繰り寄せ角を掴み一気に羊をなぎ倒し、両後ろ足と右前足を縛り身体の自由を奪う。サイーダと友人の日本人も加わり3人がかりで羊を押さえつけ、サイードが羊の頚動脈に包丁を突きつけ一気に手前に引いた。羊の断末魔ともとれる鳴声が響き、湯気を上げながら血がほとばしる。羊はしばらく空いた左の前足で苦しそうに宙を掻いていたが、やがて力なく最後の一掻きをすると、そのまま動かなくなった。

 

クライマックスは意外とあっけなく終わった。続いて後ろ足から皮を剥いでいきアキレス腱を露出させ、そこに金具を掛け宙に吊るす。皮下脂肪に包丁を入れ、肉に傷をつけないように慎重に刃を進めていく。最後はいつの間にか無くなっていた首から、だだっ子のセーターを脱がせるようにズルリと皮を引っぺがして第二段階終了。最後に腹を掻っ捌き、内蔵を取り出すと羊は、肉屋の店先に吊るされている姿と寸分変らぬそれで、目の前でブラブラし始めた。

 

うぅ〜ん、こうやって肉になるのね…。日本の子供達にも見てもらいたいなぁ。普通に生活していたら、いつも食べているものが普段どんな姿をしているか知らん子供も多いだろうからねぇ。命の尊さや食べ物の大切さが解るんでないだろうか?ま、でも今の日本だと却って逆効果かもね。

 

長いので続く…。

 

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