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2005. 3. 11.

 

モロッコ人は並ぶのが大嫌い。郵便局、公共料金の支払い、バス、汽車、グランタクシー……。日本であれば、黙っていても列が出来そうなものであるが、ここはやはりモロッコ。そんなものは影も形もありやしない。支払いの窓口などには、いつも環状に人が群がっており、皆相手の事など全く見えていないかのように、人を掻き分け窓口に向かって何か喚いている。

 

珍しく列が出来ているな?と思い並んでみると、その横に割り込み用の列がきっと出来ている。なかなか進まない列にイライラしながらも、ようやく私の番が廻ってくる。…と思いきや、例の割り込み用の列に並んでいたオヤジが、私の前にズィと体を入れ料金を払おうとしているではないか!!「おいっオヤジッ 俺の番だろ!並べよ!!」と声を荒立て抗議をすると、「いや、俺はお前が並ぶ前からここに並んでいた」悪びれずそんな声が返ってくるので、それ以上何も言う気が無くなる。こっちが間違っているのじゃないかしら?とさえ思えてくる。しかし、そんな事はまだ序の口。モロッコで最も恐ろしく、おぞましいのは「グラタクの奪い合い」である。

 

以前取り上げたグラタク。通常は乗り場に数台のタクシーが待機しており、6人揃った時点で目的地へ出発といった流れなのだが、一たび需要と供給のバランスが崩れると、あっという間にタクシー枯渇状態となる。一台もタクシーが無い乗り場に、荷物を抱えたモロッコ人が50人…。あぁ、考えただけでも恐ろしい。

 

タクシーが乗り場に来るや否や、まだ停車もしていないタクシーにモロッコ人がアリの様に群がり、引き摺られるようにしてタクシーを止める。
間髪入れず乱暴にドアを開け、まだ乗っている客を引き摺りだして自分の席を確保するのだ。強盗も顔負けである。これじゃぁ大きい荷物を抱えたお年寄りや、人数の多い家族は何時までたっても家に帰れないではないか。

 

フォローする気は全く無いし、今更こんな事を言っても説得力が無いかも知れないが、モロッコ人は基本的にとても親切だ。お年寄りの重たい荷物を持ってやったり、目の不自由な人の手を引いて道路を渡ったりする姿を良く見かける。列車のコンパーチメントでお弁当を広げると、必ずと言ってよいほど皆に分け与える。

 

しかし、彼らへの好感度もグラタクの奪い合いを見てしまった後では、虚しくさえ思える。持たざるものに分け与える「喜捨」のイスラム精神はどこへ行ってしまったのだ?一部の心無い人たちのせいで、その国の人々の印象が悪くなるのは悲しい事だな。…って訳で皆さん、外国の旅行者には親切にしようね♪(こ、この終わり方は……汗)

 

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