7.
2004.12.25.
「アッラー アックバル」(アラーは偉大なり)今日も一日の終わりを告げるように、夕闇の静寂を破りアザーンが流れる…。
今回も同じ始まり方だ…。でもしょうが無い。だって実際流れているのだから。アザーンは簡単に言うと『はぁい♪皆っさぁん。お祈りしますよぉ♪』の合図。イスラム教徒のワージブ(義務行為)の一つ、礼拝をする時間の目安なのだ。アザーンは一日五回モスケ(イスラム寺院)から流れてくる。ラバト等の都会では、テープを決まった時間に流している所が多いようだが、我が街スフロはもちろん肉声。モスケにより、そして時間帯により、声の調子や流れる時間が違っていて凝って聞き出すと面白い。ヘタな音楽よりはまる。
アザーンが流れ始めると、厳格なイスラム教徒は全ての行為を中断し、お祈りをする為に最寄りのモスケを目指す。近くにモスケが無い場合は、非常手段。お祈り用のmy絨毯をブワサと広げ、その場でお祈りを開始する。今ではもう見慣れてしまった風景。
アザーンの度にモスケまで行かれては仕事にならないってんで、私の職場内にはお祈り用の部屋がある。でもやっぱり、モスケまで足を運んでいる人が多いようだ。やっぱりいつものあのモスケじゃないとねぇ。モロッコ人のこだわり。
モロッコや、その他のイスラム諸国を旅する時に注意して欲しい事がある。それは、決してモスケのそばに宿を取ってはいけないという事だ。
しかしそもそも、街中にアザーンが響き渡るように、均等にモスケが配置されているであろうイスラムの街では、それは無理難題なのかも知れない。一日に五回アザーンが流れると先に述べたが、それは昼に、3時頃に、そして日没時に、日没後1時間ほどしてから、さらに日の出に合わせて流れる。
日の出!そう、これが曲者。太陽が地平線から顔を出すや否や、まだ小鳥も囀りを覚えないうちに、天も割れろとアザーンが眠っている街に流れるのだ。安眠妨害以外の何者でもない。慣れてないと、きっと飛び起きる。間違い無く起きる。
赴任当初右も左も解らず私が捜した家は、不幸にも3つのモスケを頂点とした三角形の重心辺りに位置していた。大音量のステレオアザーンで叩き起こされる日々。でもそのうち慣れた。なんと素晴らしきかな人間の適応能力。今となってはアザーンが流れる5分ほど前に目が覚め、アザーンを聞きながら安心して再び眠りに就く生活。日の出のアザーンは他の時間帯と違い、30分程流れるロングバージョン。お祈りのような、詩のような穏やかな響き…。「もう、アザーンの無い生活なんて考えられません!」(某在モロッコ邦人の声)