8.
2005. 1. 4.
旅先より戻りました。
「マグリブの西の果てで2004年最後の夕陽を見よう!」田舎の旅行代理店へ行くと貼っていそうな、思わず赤面してしまいそうになる見出しではあるが、実はこれが今回の旅で私が密かにに抱いていたテーマである。マグリブとはアラビア語で「日の沈む大地」の意で、モロッコ人が自国を指してこう呼んだりもする。
せっかく「日の沈む大地」に居るのだから、どうせなら誰よりも西で夕陽を見てみたい!しかも今年最後の!!壮大なテーマに思えるがそれは表面上の事。黙っていると12月31日まで働かされ、正月休みは1月1日のみ。そんなイスラム社会からの現実逃避と言った念が実は強い。大晦日まで働いてられるかっつーの!日本での習慣を前面に押し出した理不尽な理由がモチベーションの大部分を占めていたのだった。
旅にでた理由がどうあれ2004年最後の夕陽は素晴らしかった。彼は大西洋にクリームのように溶けていき、2005年へと出発した。隣には途中で知り合った自称ミュージシャンのセネガル人Sow(ソウ)。先ほどまでモロッコ人女性についての猥談を繰り返していたのだが、水平線に太陽が掛かるや、息を潜めその成り行きを見守った。夕陽が沈みきると理由は解らないが二人は満面の笑顔でガッチリと握手を交わした。
ブラックアフリカの人が笑うのを見るのは気持ちが良い。こちらまで楽しい気分になる。そんな彼の笑顔を眺めながら私の2004年は、モロッコ最後の年越しは終わっていった…。
しかしまぁ、少し遠くまで来過ぎたようだ。あまりにも無計画にひたすら西を目指した逃避行の、旅の最後に待っていたものは、バス、汽車、乗合タクシー、あらゆる交通機関を乗り継いだ23時間に及ぶ帰路であった。
疲れた。
残りの任期もあと僅か…。最後は少し計画性を持って締めくくりたいところだが、多分このままダラダラと無計画に終わっていくのだろうな。
今回の旅のように…。