9.
2005. 1. 8.
モロッコには、グランタクシー(以下グラタク)と呼ばれる乗合タクシーが存在する。ドイツが世界に誇る高級車、ベンツセダンの後部座席に4人、助手席に2人、大の大人を詰め込んで街と街の間をひたすら往復運転している。 道端でどんどん人を拾いながら進むバスとは比べ物にならないほど速くて便利な乗り物だけど、なんせ狭い。日本人だけで移動するならまだしも、相手は無駄にガタイの良いモロッコ人。特におばちゃんが要注意。モロッコ人のおねぇちゃんはモデルばりの素晴らすぃ体型をしているが、一たび子供を産むと同じ人種とは思えないほど巨デブへと変態してしまう。
まるで樽だ。
そんな樽のようなおばちゃんに挟まれた日には、もはやおばちゃんとおばちゃんの隙間の形となって、目的地までの果てしない時間を固まって過ごすしかない。これで同じ値段を払っているのだからやってられない。乗るたびに料金を重量制にすれば良いのにと心から思う。
そしてグラタクは、世界統計で事故死亡率が常に上位を占める実績が表す通り(筆者推測)、とても危険な乗り物でもある。ヨーロッパからの払い下げであろうその車体は、廃車寸前。整備が行き届いているはずも無く、タイヤは顔が映るほどツルツル、計器類はただの飾り、エンジンは押し掛け、走行中にドアが勝手に開く、シートベルトは座席を固定するのに使われている(意味は間違っていない)etc,etc…。そんな動いている事自体が奇跡と思える車体で、時速100`超の猛スピードで、私の不安をよそに今日も快調に飛ばす。
無理な追い越しなぞ当たり前。
この間、2車線道路で3台の車が横一直線に並んだ時はさすがに「終わった」と思ったが、それでもやっぱり慣れてしまった。最近は、「なぜ大型の対向車とすれ違う時に、運転手がフロントガラスを押さえるのか?」と言うのが最大の感心事。運転手のみならず、時には助手席の二人も手を貸す事さえある。風圧でフロントガラスが飛んでいった実績でもあるのだろうか?
「速い」「狭い」「危ない」と3拍子揃った素敵な乗り物グラタク。モロッコにお立ち寄りの際は是非グラタクをご利用下さい。モロッコ庶民の生活を満喫できること間違いなし。